中川運河 映像アーカイヴ プロジェクト / Nakagawa Canal – Video Archive Project

名古屋市中心部に広大な水路として設けられた中川運河は、近代産業の面影を留めた希少な景観でありながら、あまり語られることのない場所です。
中川運河 映像アーカイヴ プロジェクトは、水運としての役割をほぼ終え、再開発が進められている中川運河の風景や周辺地域の人々を、映像によって記録し、移ろい行く都市の断片をアーカイヴすることを試みています。また、そのアーカイヴを、インスタレーションやWebとして展開させることで、中川運河固有の魅力を多角的に検証しながら、映像アーカイヴと表現の関係性も探っています。
2013年度より、名古屋都市センター「中川運河助成ARToC10」の支援を受けて、継続的に活動しています。

プロジェクトの背景


中川運河は、名古屋港と名古屋市中心部を結ぶ、全長約8.2kmの川です。大正から昭和にかけて、工業都市として発展していた名古屋の物流を支えるため、1926年(大正15年)に着工し、7年間かけてつくられました。戦後しばらくは名古屋の物流インフラの中心として機能していましたが、1960年代以降、貨物の輸送形態が水上から陸上へと移行するのに伴い、運河を利用する船舶隻数が減り、現在では物流としての役割はわずかなものとなっています。また、運河護岸の建築物も老朽化し、立て直しや修復等の何らかの対策が必要となっています。そのような背景から、名古屋市および名古屋港管理組合によって、運河の再生計画が提示され、緑地化や商業施設の誘致など、様々な試みがなされるようになりました。一方で、近代産業の面影を残す運河の景観は特殊性を帯びたものであり、その価値を踏まえた再生が望まれています。